名古屋大学農学部では、80%以上の学生が大学院へと進学します。研究室配属までの3年間で習得した知識・技術を、実践的・具体的な課題に取り組みながら深化させ、さらなる発展を目指しましょう。
大学院の博士前期(修士)課程と博士後期(博士)課程について
配属された研究室で卒業課題研究に取り組んだ学生の多くは大学院博士前期(修士)課程へと進学し、さらに専門性を深める研究活動に取り組みます。大学院では、学問の発展に寄与する基礎的な研究や、環境問題、生物資源の持続可能な利用といった社会的課題に対する具体的な解決策を追求する研究を行います。
修士課程で培った高度な専門知識と研究能力により、食品、製薬、電力・エネルギー、建材、IT、製造業などの幅広い分野で卒業生が活躍しています。また、公務員や自治体の技術職、国立研究開発法人での専門職として、社会的課題の解決に直接関与する役割を担うケースも多く見られます。修士課程で得られる経験と能力によって、より実務スキル・研究能力を兼ね備えたキャリア形成が可能になります。
博士後期課程では、修士課程で培った専門知識をさらに深め、より高度な研究能力と新たな知見を生み出す力を備えることで、学問・産業の最前線で活躍する道を切り開きます。学問の根幹を支える基礎研究から、産業界でのイノベーションを支える応用研究まで、国際的に認知される研究成果の創出を目指します。また、独立した研究者としてのスキルを養い、論理的思考力、創造力、問題解決力を磨きます。
博士後期課程修了生の多くは、製薬、化学、農業、バイオテクノロジーなどの分野で研究開発をリードする専門職として活躍しています。また、公的・国際的な研究機関や大学でキャリアを継続するケースも多く見られます。博士後期課程は、高度な専門性を活かして学術的・産業的課題の解決を先導する、責任あるポジションへの道を切り開く貴重なステップとなります。特に国際的な活躍の場を研究職として求める場合、博士学位はもはや前提条件といっても良いでしょう。
当学科・専攻の卒業生の、過去数年における具体的な就職先の例は以下のようになっています。分類は参考程度で、実際の職務内容は多様です。
・生物環境科学科 卒業生(学士4年生卒)
(食品)JA愛知中央会 (ゼネコン)大成建設 (国立大学法人)東海国立大学機構 (公務員)国土交通省・林野庁・県庁
・森林・環境資源科学専攻 卒業生(修士卒)
(食品)伊藤園・JA全農・コカ・コーラボトラーズ (電気・ガス)中部電力ミライズ
(建設)岐阜造園・ダイセキ環境ソリューション・ウッドフレンズ (住宅)積水ハウス
(設計)石牧建築 (不動産)中電不動産 (機械)澁谷工業 (建材)ニチハ・大建工業・銘建工業
(ガラス・土石製品)日本ガイシ (電気機器)ブラザー工業・日本IBM・ウエスタンデジタル
(パルプ・紙)王子HD・日本製紙 (金属製品)リンナイ (楽器)ヤマハ
(建設設計・コンサルタント)日本工営都市空間・三井共同建設コンサルタント・パシフィックコンサルタンツ・アウェア
(情報・通信)ウェザーニューズ・NTTコムエンジニアリング・三菱UFJリサーチ&コンサルティング・オージス総研
(輸送用機器)ヤマハ発動機・トヨタ自動車・トヨタ車体 (人材派遣)アウトソーシングテクノロジー (サービス)楽天グループ
(金融)農林中央金庫 (国立研究開発法人)森林研究・整備機構 (公務員)国土交通省・林野庁・県庁・市役所
(個人事務所)一級建築士・土地家屋調査士
・森林・環境資源科学科専攻 卒業生(博士取得者)(詳細は後述のポータルサイトより)
[環境保全に関わる企業] 鹿島建設
[メーカー・建築関連の企業] トヨタ紡織、なな喜建築設計
[化学関連の企業] PT DUNIA KIMIA JAYA、シンクレスト
[研究機関・官公庁] 森林総合研究所、岐阜県森林研究所、石川県白山自然保護センター
[大学] 東京大学、京都大学、名古屋大学、静岡大学、岡山大学、山東大学(China)
農学部全体としての学部卒業生および修士卒業生の進路は図のようになっています。
出典:【名古屋大大学院生命農学研究科・農学部 卒業生・修了生の進路状況】より
農学部・生命農学研究科全体の卒業生として、特に博士後期課程を卒業後、各分野で活躍中の方の紹介ページがあり、博士後期課程とはどのようなキャリアなのか、何を得たのか、卒業後にどのようなキャリアを辿ったのか、それぞれメッセージ付きで公開されています。研究職を視野に入れるのであれば、きっと参考になります。
博士後期課程ポータルサイト
未来を拓く大学院博士後期課程への招待
https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/graduate-school/invitation-to-phd.html